引っ越しと孤独について

引っ越しと孤独について

さて、2018年も終わりということでいろいろと振り返ろうと思ったのですが
アルコールに漬け込んだ脳みそは加齢とともに記憶力の衰退を引き起こし、全くもって何も思い出せない。
ということで最近の話になるのですが一人なのに一軒家に引っ越しをしました。というだけの話を信じられないぐらい長く書きます。

主題に入る前に、
実は先週の土曜日誕生日だったので以下のウィッシュリストから送りたいものを僕にプレゼントしてください。
35歳になりました
http://amzn.asia/25vJoYv

一軒家に一人で住もうと思った経緯

以前のアパートは1年ほど住んでいて立地、清潔感、大家さん、エレベータなどすべてが理想的で、かつ家賃もそこまで高くなくとても気に入っていたのですが、ずっと「スタジオ作りたい、DJブースちゃんと置きたい!大きな音量で音楽聴きたい!好きな家具だけ置きたい!」という夢があり、 ある日アパートの更新が差し迫ってきたのでいっちょマジで探してみるか!と思い立ってほぼ衝動的に「外国人がホーチミンで不動産を探すためのFacebookページ」みたいなところに「一軒家探してるよ!条件はこれ!」みたいな軽いポストを下手くそな英語で投下したところ大量の問い合わせがあり、探しているのは一軒家だっつってんのに皆バンバン前のめりにアパートを紹介してくる中からポロポロと紹介される一軒家をピックアップして週末に見てみる。とかしていた結果今の家を発見。

ガレージのDJブースに立つ同居人


清潔さ、作り、家賃も高すぎずなんとか払える額(相場からしたらほんとに安い!)とすべてのバランスが完璧、立地は川が近いのでちょっと大雨降ると家の前の道が冠水して河になる+会社が遠い(バイクで30分)。という課題はあるものの「まぁなんとかなるっしょ!」とその場で契約、2週間後に引っ越し、現在にいたります。
ちなみに住んでいたアパートは友人に紹介して現在は友人が住んでいます。キッチンの引き出しがスパイス臭いそうです。

なぜ男は歳を取るとすぐスパイスカレーを作るのか

 

家の様子

さて、新居はタオディエンというホーチミンの中心地からは少し外れた川の向こうで、欧米人が昔から沢山住んでおりここ2,3年一気に日本人・韓国人も住み始めた場所でなんかちょっと小洒落ててカフェとかイタリアンとかのレストランがたくさんあるような「いつかバチが当たる」という言葉がしっくりくるスカしたエリアです。

自炊飯 カルボナーラ 近所は欧米人エリアだけあって良いチーズが売ってる

家の作りは40平米ほどで、4階建て、一階がガレージになっていて2階がリビング・ダイニングキッチン、3階に主寝室、4階は小部屋が2つ(1つは窓なし)、屋上(広くなく洗濯スペース)という作りで家具が冷蔵庫、洗濯機ベッド、各部屋のエアコンのみ。という潔い作りでした。ちなみにすべてのフロア基本的に床と壁と組み込みの収納しかなくこちらにありがちな謎の装飾など一切ないシンプルさ。
そんなでっかい家に一人で住むと言い出した金を持っていなそうな成りの怪しい日本人に大家さん(ベトナム人のおばあちゃん、英語はちょっとだけ)も多少いぶかしがっていましたが、なんとか説き伏せて入居。
家具がほとんどなかったので少しづつ集めながら住んでいるという状況です。
気に入ったダイニングテーブルが見つからなかったので木材でアート作ってる好きなスタジオに相談して作ってもらったり(超可愛い)、ソファーがほしいけどやっぱり高いので安いところにオーダーして作ってもらったり(まぁまぁかわいい)

お気に入りのオーダーしたテーブル

1階のガレージにはスピーカーとDJブースとソファーを置いてビール飲みながら音楽を聴いたり、
5年以上住んだベトナムでの情報収集能力をフルに活かしてなんとかコスパの良い、しかし良い感じの家具だけを集めつつダラダラと暮らしております。
今、ホーチミンでちょっと凝った安い家具がほしい人いたら俺に聞いてほしい。多分いま誰にも負けないくらいめちゃくちゃ情報持ってる。
ちなみに現在は一人暮らしではなく引っ越しを手伝ってくれたフリーランスデザイナーをしている友人が「住みたい」と言ったので住んでます。
はじめてのシェアハウスですが、彼は気が合うやつなので特にストレスもなく、在宅ワークなので昼間も家にいてくれて安心感がすごい!

よく遊びにくる友人の様子

家の居心地が良すぎて大体仕事が終わったら直帰して自炊しながら暮らしています。おかげで割と太りました。

常にこういった茶色くて味の濃いものを作っている

孤独

これは一つ学びがあったのでぜひ皆さんにも一軒家での一人暮らしを2週間くらいで良いので経験することをおすすめしたいのですが
何が学びだったかというと「孤独」です。
引っ越し当初なんとなく家の居心地がいいし、引っ越しでずいぶん金使っちゃったし、いろいろ家具の情報をネットで探したり、足りないものを買い物に行ったり。というアレコレがあったので外に遊びにいかずちゃんと家に帰ってたんですが、夜建物の中で自分以外の人の気配が全く無い状況というのが今までの人生でなかったのでそれはとてもめずらしい体験でした。
東京時代は実家ぐらしだったから家族がどっか行っていれば一時的に無人になることはあったけど、基本的には家族か犬がいたし
それ以降のひとり暮らしも基本的にアパートなので建物・敷地に人がいるじゃないですか、それこそ一時的に一人だけ。という状況はあっても日常的に建屋の中に一人だけ。という状況は35年生きてきてはじめての経験なわけですね。
しかも我が家は少し奥まったところにあるのでホーチミンを知っているひとほど信じられないほど外も静か。
いろいろ家具が揃い始めるまでの最初の2週間くらいはなんせ座るところもないので飯も食い終わってやることがなくなるとベッドに寝転がってじっとしていたんですが、ものすごい暇なのでずっと頭の中で自分と会話してしまうんですね。会話しない?自分と。頭の中で。するでしょ?
で、やたらとこの「自分との対話」みたいなやつが捗るんですよ。ノイズがないので。
人の気配の無い建屋の中で毎日何時間もやってるとホントに普段気にもしてないようなことについてすごい脳内会議が紛糾しちゃったりするんですよ。
そんで不安になっちゃったりハッピーになっちゃったり、傍から見たらおじさんが一人全裸でベッドに丸まりながら無の表情でじっとしている状態なんですが頭の中ではものすごい勢いで情報が整理されていくような、パチッパチッとルービックキューブを一列づつ回しているような状況なわけです。頭の中が。
これが案外心地よいんですよね。温泉みたい。
しかしそんな暮らしを続けて3週間目くらいのある夜、大きな声で独り言を言いつつ手拍子叩きながら全裸で階段を降りていたときに突然「あ、この生活このまま続けると気が狂うな。」とハタと気がついて友達のバーに飲みに行きました。うまく人と喋れなくなってた。
そんなこんなで一軒家でのひとり暮らし、おすすめです。

その他2018年について

いっぱいレイブ・野外フェス行けて楽しかった。